証券会社形態をとるクラウドバンク
クラウドバンクの運営会社は「日本クラウド証券株式会社」といい、証券会社としての事業を営んでいます。
証券会社形態をとるには、内閣総理大臣の承認が必要で、また金融庁の管轄下になるなど厳しい条件が必要です。
日本クラウド証券は創業間もないころ顧客の資産の分別管理が不十分だったなどの指摘を受け、金融庁から処分を受けています。
http://kantou.mof.go.jp/rizai/pagekthp032102500.html
金融庁の処分自体は大手の証券会社でも受けるものなので、仕方ないとは思いますが、これがもとでネット上で悪い評判が立ちやすくなってしまったのは残念なところ。
今回は、クラウドバンクの特徴と評判をまとめていきます。
金融庁の指摘には対応済み
上記の金融庁の指摘に対し、クラウドバンクは5か月ものあいだ新規案件の募集を停止し、内部統制の強化に努めました。
その間に、管理システムの強化や組織の高度化などを進めました。その結果、業務改善の成果が認められて現在では通常業務を営むことが認められています。
新規ファンドの組成をいったん止めて、経営体質やシステムの強化を行った結果として業務再開となっているので、安全性などは向上していると言えそうです。
金融庁からの処分は、証券会社というきちんとした形態をとっているがゆえに起きやすかった(証券会社だと金融庁からきちんと監督される)という面がありますので、同社については禊が済んでいると評価してよいでしょう。
新規構築システムが使い勝手が良い
業務改善中のシステム構築は、一旦JAVA言語で組んだシステムを、PHP言語で組みなおすなど抜本的な変更をしており、創業をやり直すくらい大変なことだったと思われます。
そのおかげで、投資家にとって画面遷移の少ない、ユーザビリティーに富んだシステムとなっており、システムの質は向上したと思われます。
災い転じて福となす、というような形になっています。
ネット上の評判を見ても、システムが使いやすくなったとの高評価が増えているように感じます。
中小企業融資の比率が高い
クラウドバンクでは、中小企業支援型ファンドの比率が高くなっています。
不動産型のファンドと比べ中小企業支援型のローンファンドでは、貸付先の企業名がわからない仕組みになっています。
これは企業に貸し付ける場合に、投資家がその企業を個別認識して貸し付けた場合、(無登録で)貸金業を行っていると解釈される恐れがあるためです。
クラウドバンクでは、投資家保護の一環として、貸付先の企業名を明かさないわけですね。
しかし、そうした制約がある中でも、融資先企業のイニシャルを開示し、投資家に投資先の収益管理がやりやすく配慮しています。
個別案件が識別できれば、継続的にファンドの中身を分析することが出来るので、良い対応だと思います。
管理人もエクセルで投資案件ごとの収益を分析しているので、クラウドバンクのシステムは非常に便利です。
株式型クラウドファンディングについても検討中
同社がみんなの株式と提携して行ったセミナーで、株式型クラウドファンディングについて分析しています。
ソーシャルレンディング(融資型クラウドファンディング)だけでなく、将来的には株式型クラウドファンディングのサービス提供に向けて準備を進めており、多様な選択肢を取りたい投資家にとってクラウドバンクは面白い企業だと思います。