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ソーシャルレンディング入門

ソーシャルレンディングの不動産私募への投資と、個人が不動産に直接投資することのリスクの違い

投稿日:2016年11月5日 更新日:

個人投資家が、マンションなどの不動産に直接投資することと、ソーシャルレンディングを通じて投資することはどのような違いがあるでしょうか。

一般に個人の不動産直接投資は様々なリスクがあり、ソーシャルレンディングではそのかなりの部分が軽減されています。

今回はソーシャルレンディングと不動産直接投資の構造の違いを通じて、リスクの所在を明らかにしたいと思います。

リスクのイメージ

不動産直接投資は法令違反リスクが怖い

不動産投資はあくまで投資なので経済的なリスクは当然あるのですが、最も怖いのは法令違反リスクです。

日本の不動産に対する法律は、建築基準法や消防法などの基本法のほかに、内閣府が定める政令(施行令)や国土交通省など各省が定める省令(施行規定)に加わります。

さらに自治体だ独自に定める条例(京都の景観法など)などもあり、個人投資家が全貌を体系的に理解するのは困難です。

少なくとも自分の投資している地域の条例くらいは学んでおきたいですが、それすら出来ていない人がたくさんいます。

こうした不勉強な人は不動産を直接投資するのはリスクが高すぎるのでやめた方が良いでしょう。ソーシャルレンディングで不動産の負債部分に投資するか、JREITなどで不動産のエクイティ部分に投資すべきです。

建築基準法に違反して事故が起きれば、不動産所有者の責任

不動産は大きな資産なので、その建築や解体、事故などによって近隣住民に大きな影響を与えます。

そのため建築基準法では、不動産のオーナー(投資家)は所有する建物を常に適法な状態にしなければならない、と定めています。

窓がない物件だったり、アスベスト(石綿)被害が想定されるような構造だったりしたら大問題です。

避難通路がない、または避難口に荷物を置いていて使えなくなっているようなビルで、火災が起きたら多数の死傷者がでる恐れがあります。

そうした、問題物件や管理状態が悪い物件で事故が起き、死傷者が出るような事態になったら、不動産オーナーの責任が追及されます。民事だけでなく刑事事件の被告になってしまうので、影響は深刻です。

不動産会社に任せていたでは、済まない時代なのです。

 

古い建物

耐震基準を満たしていない物件を買ってしまうリスク

個人投資家が利回りとリッチ重視で投資物件を選ぶと、どうしても都心の古い物件が中心になります。

しかし、これがリスクで、建築基準法は1981年に耐震基準が強化される改正が行われました。

大きな被害を出した宮城県沖地震がきっかけです。

都心の築古の物件を選んでしまうと、1981年以前の物件を選んでしまい建築基準法の耐震基準を満たさない可能性があります。

こうした物件は立てた時点での耐震基準を満たしていたものの、現在の耐震基準を満たしていないことから「既存不適格建築物」と呼ばれます。

国土交通省の調査によれば既存不適格建築物は、住宅のうち約30%、オフィスビルなどの非住宅では35%ほどと、かなりの割合で存在しています。知らずに既存不適格建築物を買ってしまうリスクはかなりあると考えて良いでしょう。

「既存不適格建築物」への規制が厳しくなっていく

仮に既存不適格建築物を購入した場合、さまざまなデメリットがあります。

かつては既存不適格建築物は地方自治体が甘い対応をしていたので野放し状態だったのですが、以降に減少しない実態から規制が強まる傾向が出てきています。

2004年には、建築基準法の一部が改正され、「既存不適格建築物」に対する勧告・是正命令制度が誕生しました。

この制度は、「既存不適格建築物」がこのままの状態で放置された場合周囲に危険が広がったり、衛生的でない(不潔)状況となる恐れがある物件に対して、不動産の所有者やその土地の所有者に対応するように勧告する制度です。

「既存不適格建築物」の除却(撤去、取り壊し)、移転、改築、修繕、模様替え、使用中止、使用制限などの強制力のある措置を取ることを勧告するため、かなり強烈な規制と言えます。

こうした「既存不適格建築物」に対する規制の強化は今後も続くとみられ、誤って(リスクを認識しないで)購入してしまった人は、損をすることが考えられます。

常に最新の消防法に対応する必要がある

消防法は、火災という人命・財産に大きな影響を与える災害への対応法なので、常に最新の消防法に建物を対応させる必要があります。皆さんの職場には「防火管理者」がいると思いますが、これも消防法の規定で定められています。

ほかにも消防計画の作成、避難訓練の実施など対応しなくてはならないことが様々あり、消防法に違反すれば行政処分が行われます。

なお、消防法への違反がないように、消防庁・消防局は定期的に建物の防火体制をチェックする権限があるなど、強制力を持った法律になっています。

そして、オーナーの消防法違反の罰則は最高で1億円です。

アスベスト問題への対応

アスベストは石綿とも言われ、1970年代以降の高度成長期に建物の断熱保護材として使われるようになります。

このアスベストは耐久性が高く、耐熱性に優れ、電気も絶編できたので万能の建築資材として多くの建物に使われるようになります。

しかし、このアスベストは20年から40年もの長期の潜伏期間を経て、肺がんや悪性中皮種を引き起こすことが知られるようになりました。

そのため、日本では1975年に天井や壁にアスベストを吹き付けることが禁止になります。

それ以降も1990年にアスベストが特別粉塵に指定されるまでは部分的に建物に使用されてきました。

1975年以前の建物に投資してしまうと、アスベスト物件のオーナーになる可能性があります。

では、アスベスト物件のオーナーにはどんなリスクがあるでしょうか?

不動産オーナーは、アスベストの使用状況をテナントに報告し、必要ならば対応策を練る必要があります。

また、取り壊し時にはアスベストの飛散する可能性が上がるため、十分な対策が求められます。

ソーシャルレンディングではこれらの法的リスクは無し

これまで説明してきた法的リスク(リーガルリスク)は、ソーシャルレンディングでは無縁です。ソーシャルレンディングは不動産を保有するのではなく、不動産に投資するファンドにお金を貸すだけだからです。

法的責任は不動産の所有者である私募ファンドが対応すべき問題になります。

もちろん、投資先の私募ファンドが法的リスクに直面すれば、元本が不安定になることは間違えありません。

しかし、それは最大でも貸し出した範囲の損失に限定され、無制限に責任を負わなくてはならない不動産の直接保有とは根本的に異なるリスクです。

地震リスク

不動産直接保有の場合

個人投資家が不動産投資を始める場合、借金をして1つの不動産物件を買うのが普通です。

借金の割合もかなり高く、5,000万円の物件なら4,000万円以上借りている場合がほとんどです。

こんな多額なお金を、一つの不動産に集中させているわけですからリスクは巨大です。

万が一、地震が来て建物が取り壊されることになったら、大きなお借金だけが残ることになります。

特に先ほどご説明した1981年以前の耐震基準に基づく物件は倒壊リスクも高く、なおさら地震リスクが気になるでしょう。

この問題は、地震リスクと呼んでいますが、大きな資金を一か所に集中させるリスクとも言えます。

さらに建物が耐震基準を満たしていなかった場合は、物件に瑕疵があったとみなされ、損害賠償請求を受ける可能性があります。

ソーシャルレンディングの場合

ソーシャルレンディングの場合は投資先の不動産が一定分散されますで、地震リスクには相対的に強いと評価できます。

ただ、エリア的に近い不動産にまとめて投資していた場合は、それほど軽減にはつながりません。

空室リスク

不動産直接投資の場合

日本の人口は減少しているのに、マンションなどの居住用不動産は増え続けています。

今後50年で日本の人口は30%減少すると言われており、人口増加が続いていた東京などでも人口減少に転じます。

そのために、立地・設備などが魅力的な物件でなければ空室リスクが高まっています。仮に魅力的な物件だったとしても、

空室リスクは、一つの不動産に集中投資する個人投資家の投資スタイルによってさらに高まります。

ソーシャルレンディングの場合

空室リスクはソーシャルレンディングは頭が痛い問題です。

ただし、元本と金利部分が戻るだけの収入があれば、十分なので多少は空室リスクには強いです。

定期的に保守、修繕の費用

不動産直接投資の場合

不動産物件の価値を保つためには、定期的な修繕が必要不可欠です。

個人投資家が利回り重視で取得するような物件は、売却するのが難しいケースもあるので、一度購入したら長期的に持ち続けなければなりません。

長期的に価値を保つためには、以下のサイクルで保守、修繕を行わなければなりません。

  • 設備を5年程度
  • 建築(壁・床・天井など)を10年程度
  • 構造(柱・鉄筋などの骨組み)を40年

当然、修繕のたびに費用はかかるので、普段からの積み立てが必要になります。

修繕に使うための、キャッシュフローの管理など、投資家として考えることが増えるのは負担です。

ソーシャルレンディングの場合

こうした費用についてはソーシャルレンディングでは、負担されないことが多いです。

なぜかと言うとソーシャルレンディングでは、短期間の資金調達に使われる性質が強く、長期間保有した場合にかかるコストは負担する可能性が低いからです。

 

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