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ソーシャルレンディング入門

ソーシャルレンディングの案件別特徴。太陽光発電、不動産、動産などの違い

投稿日:2017年4月18日 更新日:

日本で提供されているソーシャルレンディングは、貸付・ファンド型がほとんどになっており、投資先は、不動産、動産、事業者向け、太陽光発電、海外向けなど様々です。今回は、それぞれの案件別の特徴と一般的な利回りなどについてご説明します。

不動産案件の特徴と期待利回り

特徴

個人が不動産投資を行う場合、これまでは銀行などから資金を借りて、マンションやアパートを購入し、入居者を募集して、そこからの家賃を月次で収入として得るという手法が一般的でした。

情報が限られている個人にとって、慣れない不動産取引を自分で行い、高利回りの物件を見つけるのは至難のわざです。そこで開発されたのが不動産案件のソーシャルレンディングで、専門知識のない個人であっても、数万円という少額から投資可能で、高いリターンを狙うことができます。

不動産の場合、良い物件を見つけることができれば、安定的で継続的な収入を期待することができます。不動産の専門家が良質な物件を複数集めて、管理運営を行う仕組みを整えた上で証券化し、ローンファンドの形にしたものが、不動産案件のソーシャルレンディングの特徴になっています。

個人が単独で不動産投資を行う場合、物件購入後の入居者探しが大変なのですが、その後のマンションやアパートの管理運営はさらに難しいことがあります。

家賃を滞納する入居者が出た場合の対応や退去の際の手続きなど、様々な管理運営作業が発生します。さらに、個人がマンションやアパートを個人が購入して、将来売却しようとしても、不動産価格下落のリスクがあり、大きな損失を被る可能性もあります。

物件選びの難しさ、入居者募集の困難さ、管理運営の大変さ、売却時の流動性の低さなど、不動産投資のデメリットを証券化することで軽減することができます。

投資家としては、ソーシャルレンディングの仕組みを使うことによって、少ない予算で複数の不動産案件に分散しながら投資することが可能になります。

不動産案件の一般的な利回り

不動産案件のソーシャルレンディングは、5パーセントから10パーセントの利回りが一般的になっています。不動産案件の場合、投資対象の物件が担保になっていることがほとんどのため、大部分が「担保付き」という表示になっています。

また、保証会社による保証がついている不動産案件のソーシャルレンディングもあります。この場合、延滞リスクや貸し倒れリスクが軽減されますので、投資家が受け取る利回りは低下します。

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動産向け案件の特徴と期待利回り

特徴

動産向け案件のソーシャルレンディングは、借り手となる業者が所有している動産に対して、担保を設定することに特徴があります。動産向け案件の典型例は、物品販売などを手掛けている業者に対してソーシャルレンディングで融資を行い、その業者の在庫商品を担保にすることです。

業者の商品を担保にすることについては、イメージがわきにくいかもしれません。これは、動産担保登記と呼ばれる比較的新しい公示制度を用いて、倉庫などに保管されている在庫商品などに担保を設定して、借り手の延滞や貸し倒れに備え、ローンを保全する仕組みになっています。

動産担保登記を行っているソーシャルレンディングであっても、お金の貸し手である投資家の立場からすると、「倉庫の中にはたくさん商品があるはずで、どの商品に担保が設定しているかなどを、誰がどのようにして確認するのか?」という疑問が出てきます。

動産向け案件のソーシャルレンディングの場合、借り手の業者が保有している倉庫内の在庫品などを一括で担保設定する手法が用いられています。この仕組みは「集合動産譲渡担保」と呼ばれています。

集合動産譲渡担保を設定することによって、「この商品は担保設定されているが、あの商品は担保になっていない」などの複雑な状態に陥ることがなく、延滞や貸し倒れが発生した場合、集合動産の範囲内であれば、どの商品でも処分することが可能になっています。

集合動産譲渡担保を使うことが、動産向け案件のソーシャルレンディングの大きな特徴です。これに加えて、借り手である業者が保有する株式や債券などの有価証券が担保になる場合もあります。また、業者を運営している代表者の連帯保証が付いている動産向けソーシャルレンディング案件も多くなっています。

動産案件の一般的な利回り

動産向け案件のソーシャルレンディングでは、7パーセントから14パーセントの利回りが多くなっています。動産向け案件は、登記所という公的な機関を通じて、借り手が保有する在庫商品などに担保を設定するソーシャルレンディングです。

しかし、「動かして、持ち出すこと」が可能な動産が担保であるため、不動産案件よりは投資リスクが高くなっており、その分利回りも高めになっています。

 

事業者向け案件の特徴と期待利回り

特徴

事業者向け案件ソーシャルレンディングの投資対象は、銀行などからの資金調達が難しい中小企業である場合がほとんどです。事業を始めてそれほど時間が経過していないベンチャー企業などの場合、画期的な商品やサービスがあっても、運営資金が十分でないためにビジネスを拡大できていないケースがあります。

ソーシャルレンディング業者は、これらの企業から融資申し込みを受け付け、事業計画書や決算書などの経営情報が記載された書類を取り寄せます。また、信用情報機関へのデータ照会なども同時に実施して、融資候補企業が過去に受けた融資に対する返済状況や延滞の有無なども確認します。

融資希望業者からの提出資料やクレジットヒストリーなどを細かく精査し、ソーシャルレンディング業者内で審査を進めていきます。ソーシャルレンディング業者によっては、借り入れを希望する法人の経営者と面談を行ってから融資するかどうかの最終的な判断を行うところもあります。

融資を行うことが決まったら、ソーシャルレンディング業者と借り入れ企業が金銭消費貸借契約書を締結します。

ソーシャルレンディング業者は、融資先2社以上の案件をローンファンドの形にして組み入れ、リスクを分散した上で小口化し、貸し手である投資家に販売します。なお、融資先企業の借り入れ金利や融資額、返済期間などはそれぞれ異なります。

出資を行った投資家は、借り手である法人からの返済金を毎月受け取ることになります。事業性案件については、「中小企業・零細企業を応援する」と言ったうたい文句を掲げているソーシャルレンディング業者もあります。

銀行などとの取引が難しいベンチャー企業や中小企業への融資をファンドの形にして、数万円から投資可能になっていることが、事業者向けソーシャルレンディングの特徴です。

事業者向けローン案件の一般的な利回り

担保や保証が付いている事業者向けソーシャルレンディング投資案件であれば、5パーセントから8パーセントの利回りが一般的になっています。

無担保、無保証の事業者向け投資案件の場合、10パーセント以上の利回りになることもあります。高いリターンを期待できる分だけ、延滞や貸し倒れのリスクも高くなっています。

太陽光発電案件の特徴と期待利回り

特徴

太陽光発電案件のソーシャルレンディングは、その名の通り、太陽光発電関連のビジネスを行う事業者向けに投資を行います。太陽光発電事業者は、発電準備のために必要となる太陽光パネルの購入資金や太陽光発電施設の設備投資を行うための費用として、借り入れを申し込みます。

太陽光パネルや太陽光発電施設などは、一度建設することで、大きな地震などの天変地異がない限り、継続的に発電を続けられるため、比較的投資リスクは低めであると考えられています。

太陽光パネルなどで発電した電気を、太陽光発電事業者が電力会社に売却し、その利益によって、ソーシャルレンディングの貸し手である投資家に分配金が支払われる仕組みです。

太陽光パネルなどで発電された電力は、再生可能エネルギーとして取り扱われ、電力会社によって、一定価格で買い取ってもらうことができる仕組みになっています。これは、2012年7月1日から開始された「再生可能エネルギー固定価格買取制度」と呼ばれています。

国によって導入された再生可能エネルギー固定買取制度は、消費者が支払っている電気代の一部を原資にしています。太陽光発電施設で発電されるすべての電気が、電力会社によって買い取られる枠組みになっています。そのため、太陽光発電事業者が発電をして、それが売れ残るというリスクがありません。

また、ソーシャルレンディングでは、借り手が保有している太陽光パネルや太陽光発電施設、設備などに対して担保設定を行うことが一般的です。そのため、将来的な延滞や貸し倒れリスクに対しても、一定のヘッジがかかっています。

さらに、太陽光発電事業者が発行している株式に対して、担保を設定するソーシャルレンディングもあります。

太陽光案件の一般的な利回り

太陽光発電案件のソーシャルレンディングの利回りは、4パーセントから7パーセントが一般的になっています。太陽光発電設備に対して担保設定を行うことと再生可能エネルギー固定価格買取制度によって、延滞や貸し倒れリスクが軽減されている分、利回りも抑えられる形になっています。

海外向け案件の特徴と期待利回り

特徴

海外向け案件のソーシャルレンディングは、投資先が日本国内ではなく海外であり、アフリカなどの新興国の案件もあります。しかし、外国にある事業者から融資の希望を受けても、日本国内のソーシャルレンディング業者が、ローン審査を行うのは非常に困難です。

そのため、日本のソーシャルレンディング業者は、投資先の国や地域にある現地のソーシャルレンディング業者やサービサーなどとパートナー契約を結び、投資案件を審査、管理する方式を採用しています。

海外向け案件のソーシャルレンディングの場合、投資先が現地の消費者ローンや事業者ローンであることが多くなっています。現地でローンの審査や延滞債権の回収などの経験を持っているパートナー業者と協力しながら、日本の投資家に高利回りの海外向けソーシャルレンディング案件が提供されています。

投資先の具体例としては、カメルーンの中小企業支援プロジェクト、ペルーの小口債務者支援プロジェクト、ロシアのマイクロローン事業者ファンドなどがあります。

ヘッジの有り無しにはどんな特徴がある?

貸し手である投資家の多くは日本円で投資を行いますが、借り手は外国にいますので、当然のことながら融資は外貨建てになります。そのため、銀行で作成する外貨預金などと同じように、貸し手である投資家は為替リスクを負うことになります。

日本のソーシャルレンディング業者は、「為替ヘッジ有り」と「為替ヘッジ無し」の海外向け投資案件を提供しています。為替ヘッジ有りの場合、円高が急激に進行して、投資先の国の通貨が急落した場合であっても、損失を避けることができます。

ただし、為替ヘッジを付けるためには費用が発生し、日本円と投資先の現地通貨の金利差が大きいほど、ヘッジコストは大きくなります。為替ヘッジ有りの案件は、ヘッジコストの分だけ利回りが低下することになります。

為替ヘッジ無しの場合は、ヘッジコストがかからない分だけ利回りは高くなりますが、急激な円高、現地通貨安の状況になった場合、為替リスクをそのまま受けます。

高利回りの海外向けソーシャルレンディング案件に投資しても、為替ヘッジが付いていない場合は、外国為替相場の動きによってファンドの収支がマイナスになる可能性があります。

一般的な利回り(幅)

海外向けソーシャルレンディング案件の期待利回りは、為替ヘッジ有りの場合は7パーセントから10パーセントの間にあるものが一般的です。為替ヘッジ無しの案件は、10パーセントから14パーセントの期待利回りが多くなっています。

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証券担保案件の特徴と期待利回り

特徴

珍しいソーシャルレンディングの形として、SBIソーシャルレンディングが提供している証券担保案件があります。これは、SBI証券に株式を預けている人に対して、株式を担保に取って融資を行うソーシャルレンディングです。

証券会社で株式を購入して、しばらくは売却したくない状況で資金が必要になった人向けに株式担保で融資を行う仕組みです。運用期間は約1年で、1口1万円から投資可能になっており、毎月配当金が出る予定になっています。

SBIソーシャルレンディングとSBI証券はグループ会社であり、双方の資金需給を調整しながら、ソーシャルレンディングの仕組みを使って、貸し手である投資家にリターンを提供し、借り手に流動性を供給するための試みになっています。

一般的な利回り

SBIソーシャルレンディングの証券担保案件は、予定利回りが2.0パーセントになっています。SBIソーシャルレンディングのグループ会社であるSBI証券にある株式が担保になっていますので、処分、換金が容易であることからリスクが低めの投資案件であり、その分リターンも抑えられています。

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まとめ

それぞれの投資案件によって、特徴や利回りなどは異なりますが、元本保証がないことは共通しています。担保や保証、為替ヘッジの有無などは、期待利回りだけではなく、将来の延滞や貸し倒れリスクに関わる重要な事項です。

ソーシャルレンディングの案件に申し込む前に、先の特徴やリスクをきちんと理解した上で、余裕資金で投資を行うことが重要になります。

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